Urbans ,LLC / アーバンズ合同会社

第三回「都市の重要性とその意義――社名アーバンズの由来」

弊社「アーバンズ」は「都会の」を意味するUrbanに由来しています。

名詞化するとUrbanities ですね。

Urbanities(都会的)とは、もともと洗練されて垢抜けている身振りを持っていることを指します。

一般的に都会的とは「革新的」「開放的」という印象がありますね。

一方で農村は「保守的」「閉鎖的」な印象があります。

なぜこのような差が生じるのでしょうか。

実は、歴史において「都市」は極めて重要な意味を持っています。

というのも、歴史は常に「都市」を通じて語られるからです。

そこで今回は「都市」について見ていきたいと思います。

都市は文明が生じるとともに歴史上に現れています。

それは、文明は権力の集中する場所を必要とするからです。

古来より政治や宗教は都市を中心に行われてきました。

こうして権力を集中し都市として具体的に現れることによって、

大規模な人為的な作業(灌漑や軍事)などを行えるようにしたのですね。

ところが、都市には食料を生産する力がありませんでした。

そこで、農耕を行っている村から食料を徴収することで都市は食料の補給を行いました。

原始的な村は、自給自足ができるだけの農作物を生産していたのですが、

都市に作物を徴収されるようになってからは、作物を余分に生産しなくてはならなくなったのです。

いわば「都市」が「農村」を生み出したといえます。

この徴収の強制力は凄まじいもので、

農村が飢饉に陥っても都市は無理やり農作物を規定量もっていってしまうために、

町民たちが飢饉に陥ることは滅多にありませんでした。

このようにして生まれた都市ですが、基本的には軍事的な力で防衛を保証したり、

宗教で精神の安定を保証したりと、農村にとっても必要なことを行ってもいました。

その都市の在り方は時代や場所によって異なり、それがその時代の特徴ともなりました。

そして、その都市の特徴やルールや価値観を農村に押し付けるがゆえに、

都市は革新的で、農村は保守的という印象が出来上がったのですね。

さて、中世に入ると、ヨーロッパではヴェネツィアのような経済活動が盛んな都市も現れ、

ルネッサンスのような革新的な芸術作品もたくさん生まれてきました。

ルネッサンスが革新的だったのは、芸術を神中心から人間中心に変えたことでした。

これは商人が力をつけたことに関係があります。

商品の取引をするということは、相手が王様だろうと神様だろうと平等に交換するということです。

つまり商人は基本的には「平等主義者」なんですね。

さらに商人は神頼みだけではなく、自由に自分でものごとを考えることも求められます。

そんな商人が力をつけてきたわけですから、都市部で人間中心主義が現れるのも当然ですよね。

都市の商人が力をつけてくると、もっと経済活動をはかどらせるために、

国の貨幣やものさしを統一し、インフラを整備してほしいという欲求が出てきます。

こうして、封建社会は各領主が支配する世の中から、

国王がとてつもない権力で支配する絶対王政の時代へと突入しました。

それからも西欧は経済活動を発展させていき、また多くの要因が重なり合って、

産業革命が起こり、資本主義社会へと突入していき、現代へとつながるわけです。

このように考えると、フランス革命の時の「自由、平等」というスローガンは極めて都市の商人の発想であることが伺えますよね。

ところが、当時の人たちは、これをただ商人の発想としてだけで終わらせはしませんでした。

経済原理だけで物事を進めると、

格差が生じてしまうことを懸念し、人々が孤立してしまうことを恐れた人たちもいたのです。

そこで、都市に住む人たちを「市民」と考えました。

そして市民とは自分で考えて、自分で行動し、自分で責任をとりつつ、

緩やかに助け合い連帯をするものだとして、「自由、平等、博愛」の精神を掲げたのですね。

さて、現代はその中でも個人主義が行き過ぎてしまい、自己責任論がはびこり、

助け合いという博愛の精神は薄れてきているようにも思います。

しかし、ほんらい近代におけるアーバンには博愛という意味も含まれていたはずなのです。

そこで弊社では、それぞれが自分で考える自由を持ちながらも、

お互いがその個性を発揮できるように連帯し、

助け合うことができる世の中にしたいという思いから、

複数形のsをつけて社名をアーバンズとし、

博愛の意味も兼ねた名前にさせていただきました。

このようなアーバン・パーソナリティを持った人が増えたら素敵ですよね。