経済というと難しく聞こえますが、
誰もが日常で使う経済用語があります。
それは「景気」です。
「ちかごろ景気はどうですか?」とか、
「景気が悪い」とかなどは良く聞きますよね。
実はこの景気には法則的な循環があるとされています。
専門的には景気循環論と呼ばれていまして、
40ヶ月おき、10年おき、20年おき、50年おきに
大きな景気の変動があると言われています。
たとえば、10年おきというのは、
だいたい企業の設備というのは10年立つと使い物にならなくなり、
一斉に買い換えるようになるから景気が良くなるといったようなことからです。
これらの周期は、在庫を大量に補充する時期、
設備を買い換える時期、住宅が売れる時期、
新しい技術が生まれる時期を示していまして、
つまりは実体経済、ちゃんと実在する商品をもとにした周期でした。
ところが、
前回のブログで、
70年代から金融が主流になってきたような話をしたように、
実体経済とは異なる金融経済が、
現代では景気を動かすようになってきました。
そして、
この金融経済の景気の周期は10年ではないかと言われています。
1987年のアメリカから起こったブラックマンデーと呼ばれる世界的な株価大暴落、
1997年の最終的にロシアをデフォルト(債務不履行)にまで追い込んだアジア通貨危機、
記憶に新しい2007年のリーマンショックを端に発する世界金融危機と、
すべて末に「7」のつく年に起きています。
となると、来年の2017年が危なそうですよね。
実際、新しい金融危機が起こりうる要因はたくさん揃っています。
一つには最近のガソリン価格の低下です。
いま、アメリカのシェールオイルの発掘により、
石油が過剰供給となっています。
じつはシェールオイルが見つかったとき、
アメリカの各銀行は、
これは確実に儲かると多額の融資や証券投資を行っていました。
ところがサウジアラビアなどの中東の産油国が石油価格を引き下げてきたため、
価格競争が起こり、
思ったほどアメリカのシェールオイル発掘企業が儲からなかったのです。
こうしてシェールオイルに対する不良債権がたまりつつあります。
また、中東も無理をしたため、
いわゆるオイルマネーが大きく減少してしまったので、
日本などの株式への資金を引き上げてしまいました。
いま日経平均株価がものすごく下がっていますが、
このような訳があったのですね。
また、アメリカはこりもせずサブプライムローンのような貧困者層を含む債権を証券化して売っているのも危険因子ですね。
ほかの要因でいえば、中国の成長の急失速もあります。
世界金融危機が少し持ち直せたのは、中国の経済成長にありました。
ところが、その頼りの中国にも限界が来てしまいました。
それどころか、中国自体の過剰な投資などの無理がたたって、
金融危機の発生源にすらなりかねないのです。
もし、次に金融危機が起きたら、
どこの国が救世主になりうるのでしょうか。
また、EUも問題だらけです。
世界金融危機以降、ユーロ危機とまで言われましたが、
いまだに問題が解消したとはいえません。
なぜならEUの構造上の問題でもあるためなのですが、
その問題はまたの機会に譲りましょう。
以上のように、ざっと並べてみただけでも、
こんなに危険な要素が出てきます。
加えて、中国の南沙諸島に対する態度や、
EUにおける中東からの難民やテロの問題という
経済を超えた事態をも引き起こしうる不確定要素は、
金融危機をきっかけに暴発してもおかしくありません。
ある記事では、
経済の回復の為に戦争をするべきだとまで主張しているものがあるほどです。
少しばかり悲観的でしたでしょうか?
もし気になったようでしたら、
調べてみてぜひ資産運用に役立ててください。
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