Urbans ,LLC / アーバンズ合同会社

第九回「グローバリゼーションとはなにか」

前回は外国語を学ぶ意義について書きました。

その意義とはグローバルな人材になるためだけではないことを述べましたね。

ところでグローバル化とは一体なんなのでしょうか。

グローバルとは「世界的な」や「国際的な」という意味で使われています。

しかしながら、それに対して異議を唱える学者もいます。

グローバル化とは単純な国際化ではなく、

「アメリカの流儀に従った国際化」、

つまり「アメリカ化」であるというのです。

どういうことでしょうか。

そもそもグローバリゼーションという言葉は1970年代に出てきた言葉だといいます。

この頃はオイルショックなどもあり世界的に不況でした。

閉塞するアメリカ経済の中で、

石油の値上げで儲けているいわゆるオイルマネーなどが入り込んでくる金融業界、

特に証券会社だけがなんとかやっていけている状況でした。

この状況を見ていた銀行は、

証券会社を羨ましいと思っていました。

当時のアメリカは、世界恐慌の教訓から、

銀行は経済の血液なので、

投資のようなリスクの高い事業をしてはならないと法律で定めていたのです。

しかし、一般庶民ですら金利の高い証券を買うために預金をあまりしなくなっていったため、

銀行は政治家にどんどん文句をつけていき、

ついには銀行でも証券投資ができるように規制緩和されました。

その背景には、1986年にイギリスのサッチャー政権が行った

「金融ビッグバン」があったといいます。

実はイギリスも経済問題が深刻化していたので、

アメリカに先駆けて規制緩和を行ったのです。

こうして、国際競争を導入することで、

イギリスの証券会社の体質を強化しようとしたんですね。

ところが、蓋を開けてみると、

なんとアメリカの金融機関にロンドン金融市場は乗っ取られてしまいました。

そして、アメリカは西洋と日本からアメリカの証券へ投資してもらい、

さらにその資本でアメリカは発展途上国に投資をして支配をするという金融構造を作りました。

それから、

この規制緩和の波は「新自由主義」という名の経済政策となり、

現在でも金融に限らずあらゆる産業に押し寄せてきています。

ちょっと小難しい話をしてしまいましたが、

ようは自由化をすると強い国が勝つということですね。

それは結局、アメリカの企業であり、

アメリカの文化が入ってくるということです。

このように考えると、

たしかにグローバリゼーションとは世界のアメリカ化だとも言えるでしょう。

ただし最近ではその反動からか、

ローカライゼーションという声も聞こえてきたりします。

現地の文化に根ざした商品を考えようという企業も出てきているようで、

ユニクロなどはたとえばインドではインドの民族衣装に合わせた服を開発しているそうです。

前回の話で、言語の違いから学ぶことがあると言いましたが、

多様性というものはそれだけ人間を豊かにするものだと思います。

イヌイットには雪に関する言葉が何十もあるそうです。

また、世界では虹色が7色よりも少なく見える国があります。

多様性はそれだけ世界の見方を教えてくれるということです。

グローバルな人材ではなく、

豊かな人材になれるように目指していきたいものですね。